海外FXでは日本の法律が適応されないことは有名ですが、税金の面ではご存じですか。
日本の法律上、日本に居住している人は所得に対して日本に税金を納める義務があります。(所得税法)
確定申告がややこしい上に、管轄外だからバレないだろうという理由で納税をしないと脱税になります。
脱税をするとどうなるのか、過去の事例も合わせてご紹介します。
海外FXは日本の管轄ではない
日本の法律が適応されない
海外FXでは日本の法律が適応されないことは多くの方がご存じかと思います。
そのことから不安に思う人もいますね。
まず、海外FXはそのFX業者の拠点がある国の法律が適応されます。
そのためもしもFX業者とトラブルがあった場合は日本の法律を基準に訴えることができないです。
日本の金融庁の管轄ではない
海外FXは日本の金融庁の管轄ではありません。
金融ライセンスというものがあるので混乱しそうですが、これはそれぞれの国が自国で活動する金融機関に対して発行する許可のこと。
「金融ライセンスがある=日本の金融庁の管轄」ではないので注意してください。
つまり、海外FXは日本の金融庁の管轄ではないということです。
脱税は日本の税務署によって絶対にバレる
法律も金融庁の管轄も日本ではないのになぜ脱税がバレるのか疑問ですよね。
実は税の管理をしているのは「税務署」です。
法律も金融庁も関係ないということをよく覚えていてください。
海外FXの出金方法は「銀行振り込み・送金」「オンラインウォレットによる送金」「クレジットカードからの出金」と業者によっていろいろな方法がありますが、実はすべて金融機関を経由しているため、税務署はすべて調べ上げることができます。
税監査をされてしまうと、手元に現金として引き出す前でもどの経由で利益を得ているのかが簡単にバレてしまうのです。
脱税がバレていない人は本当にいるのか?
手違いを含め、税金を納めていない人が中にはいるでしょう。
実は税務署はそれを把握していて敢えて泳がせているパターンが多いのです。
多額の利益を得た際には納税に関する案内状が自宅に届きます。
「利益があったことは知っているよ、ちゃんと納税してね」という釘差しにほかなりません。
もし脱税がバレてしまったらどうなるのでしょうか。
脱税は犯罪!罪は重い
脱税は立派な犯罪行為です。
発覚した時点で直ちに追徴課税を「現金一括」で支払わなければなりません。
さらに「所得税法違反」で懲役刑や罰金が発生することがあります。
追徴課税には「加算税」と「遅延税」というものがあり、本来払うべき税額に追加で税金を納めることになります。
追加される税金 | 種類 | 内容 |
---|---|---|
加算税 | ①過少申告加算税 | 申告期限内に提出した申告書で税金を少なく申告したために課せられる税金 |
10%または15%(期限内に提出された申告書に係る税額と50万円とのどちらか多い金額を超える部分) | ||
②無申告加算税 | 正当な理由がなく申告期限内に申告しなかったために課せられる税金 | |
15%または20%(50万円を超える部分は20%) | ||
重加算税 | ①②が課される場合で税額の基礎となる事実の隠蔽・仮装したときに課せられる税金 | |
①は追加本税の35%、②は納付税額の40%、不納付加算税は納付税額35% | ||
不納付加算税 | 源泉徴収して納付すべき税額を正当な理由なく法廷納付期限までに納付しなかったために課せられる税金 | |
10%(予告される前に納税した場合は5%) | ||
遅延税 | 遅延税①:納期限までの期間及び納期限の翌日から2か月を経過するまでの期間については年「7.3%」と「遅延税特例基準割合+1%」のいずれか低い割合 | |
遅延税②:納期限の翌日から2か月を経過する日の翌日以後について、年「14.6%」と「遅延税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合 | ||
①と②を合計したものが遅延税となる※100円未満は切り捨て |
追徴課税の支払いには法的効力があるので、差し押さえもあります。
絶対にバレる上に、ここまで加算された税金を現金一括で支払うのにはリスクしかありません。
大金を目の前にすると気の迷いがあるかもしれませんが、バレると本来納めるべき税金の倍近くも納めることになるので脱税はやめた方がよいです。
有名なFXでの脱税事件
脱税が億単位で行われていた事件をみなさんはご存じでしょうか?
中でも有名なFX脱税事件をご紹介します。
「ヒルズ族の転落」4億円の利益を隠蔽、1億6千万円の脱税
FXの脱税で最も有名なのが「磯貝清明」さんです。
彼は2007年頃、ポンドをメインとした取引で「日本で一番ポンドを持つ男」という異名を持っていました。
最盛期では10億円もの証拠金を保有していて、スワップポイントだけで毎日200万円もあったようです。
当時は余るほどの大金によって、六本木ヒルズでの生活を謳歌していたようです。
ところが、2年間の利益「4億5千万円」を申告しなかったため、2009年に起訴されました。
脱税額はおよそ「1億6千万円」
とんでもない金額ですが、申告しなかったために罰金と合わせて「2億8千万円」の支払いを命じられています。
磯貝さんはその莫大な金額を一括で支払うことができなかったため、20年かけて返済していく方針になったそうです。
「FX界の女王」4憶の利益を隠蔽、脱税した税金を一括返済した強者
FX界で有名な主婦「池辺雪子」さんは今でも業界で活躍しています。
2005年頃から3年間で得た利益およそ「4億円」を隠蔽しました。
しかし2008年にあえなく起訴。
なんと求められた税額は所得税・住民税・重加算税・遅延税を含め「5億円」にも及びました。
驚くことに池辺さんはこれを即金で支払ったそうです。
彼女はFXでトータル8億円以上利益をだしているようで恐るべき運用力です。
申告していなかった所得金額以上の支払いになってしまうケースがあるということがよくわかりました。
脱税するよりも節税をしよう
脱税が成功する人はいませんし、FXで得た利益を堂々と使いたいですよね。
脱税するよりも節税することをおすすめします。
実は海外FXでは節税についてグレーゾーンが多くあり、高確率で節税ができるので節税について知識を付けましょう。
あとからとんでもない金額を支払うことになるよりも堅実に節税するほうが結果的にお得になりますよ。